長距離界の常識を覆した【魔法の靴】の登場
見覚えのあるピンクシューズだと思います
好記録が出過ぎてオリンピックでの使用が疑問視されました
結論として基準をクリアすれば使用できる事が決まりました
マラソンは42.195kmと長い時間を走る競技でありますで持久走ではなく、長距離走です
持久走は長時間走れるか、長距離走は長い距離をいかに早く走るかが競われています
私が長距離を始めたころはトレーニングでは【厚底】、レースになると【薄底で軽量】のを使っていました
トレーニングでなぜ【厚底】なのかと言うと、クッションが含んでおり着地時に安定して怪我防止になります
逆にレースではよりスピードが求められるので、極力体力に負荷のかからない軽いシューズが常識でした
そんな常識を覆した【魔法の靴】を紹介します
常識を覆しのはじまり
レース用で使うスピードタイプのシューズといえば、【軽くて底が薄い】のが常識でした
その常識を変えてしまいました
2017年7月に発売された【ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%】です
その厚さは最高4㎝にもなります
素材は航空宇宙産業で用いられるもので、その中にはバネのような役割を果たすカーボンファイバー製のプレートが搭載されていました
以前、レース用のシューズといえば、クッション性と反発性が相対するためできるだけクッションをなくし反発性を高めるという考え方が主流でした。
ミッドソール内部にカーボンプレートを内蔵したことで高い推進力が出たこともこれまでのシューズにはなかった進化になりました
フルマラソンで2時間切りを目指すNIKEのプロジェクト「Breaking2」で、リオ五輪男子マラソン金メダリストのエリウド・キプチョゲ選手が2時間0分25秒を記録
以後、世界のメジャーレースをNIKEの厚底シューズが席巻し、【トップランナー向けシューズは厚底】という新たな流れが加速しました
そして2019年10月に行われたBreaking2の第2弾“INEOS 1:59 Challenge”では、キプチョゲが再び人類初の2時間の壁へ挑み1時間59分40秒という大記録を打ち立てました。
2018年箱根駅伝で異様な光景を目にしました
ランナーのシューズ使用メーカー1位にナイキになったのです
通常はアシックスとミズノを履いているイメージがあったのですがナイキが目立ちました
世界のトップランナーが履く事でランナーたちが続々履き換えてきました
現在は日本記録保持者の大迫傑選手は、日本人で初めてナイキの厚底シューズを履きました
15年以上に保持されてきたマラソン日本記録を更新した設楽悠太選手も、その記録をさらに更新した大迫傑選手もこのシューズを着用していました
世界陸連からの規制
あまりにも好記録が出過ぎてしまうため、世界陸連が着用の可否の議論が入りました
【複数のプレートを靴底に内蔵してはならない】【靴底の厚さは40mmまで】などの新規定をクリアした
最新モデル【エア ズーム アルファフライ ネクスト%】はオリンピックでの着用が可能となりました
新世代シューズ【エア ズーム アルファフライ ネクスト%】とは
世界陸連からの指摘により改良され、開発されたオリンピック着用可能の厚底シューズ
発売前から世界中の熱い視線が注がれた、【ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%】とはいったいどんなシューズなのか?
ナイキがキャッチコピーにしている【厚さは速さだ】がとても気になります
靴底は39.5mm規定ぎりぎりになってます。前作の37mmから厚さが増しました
最大の変化は名前にもある様に前足部分に【エア】が入っている事です
以前からナイキで使われていた【ズームエア】と呼ばれる技術の使い方が変わりました
前足部に左右2つ並べて配置し、蹴り出す際の反発力をさらに高めています
これにより以前より、より前に足が出やすくなっていると思います
ナイキに対して他社動向
ナイキの厚底シューズが注目され改めて世界一のスポーツブランドの強さが出た感じですが
各社も黙ってはいません。ランニングシューズ市場規模は拡大傾向にあり、新興企業などランニングシューズ市場に乗り出してきています
ナイキに対抗して各社新商品を販売し市場を競っている
日本国内では、世界中で広く販売しているナイキ、アディダス、ニューバランス。
国産メーカーのアシックスとミズノ。これらが【5大ブランド】といえます
元祖厚底といわれる【ホカオネオネ】
世界で初めてゼロドロップ(爪先と踵の高低差がない)というコンセプトを搭載した【アルトラ】
米国のランニング市場で高いシェアを誇る【ブルックス】
他にも【プーマ】【アンダーアーマー】【リーボック】【サッカニー】【ニュートン】などあります
今年の夏から秋にかけて各メーカーから【厚底の軽量ミッドソール×カーボン製プレート】を採用したランニングシューズが発売されました
アシックス
【アシックス】が初のカーボンプレート搭載シューズ【メタレーサー】が先行発売されることを皮切りに、各社も販売され始めました
【メタレーサー】はアシックス史上最も先進的なランニングシューズと言われており、評判が良いようです
前足部分が弓状になった靴底に、軽量で高剛性のカーボンプレートを組み込み、重心の移動をスムーズになりました
ニューバランス
【ニューバランス】は独自のカーボンプレートを使用した【FuelCell RC ELITE】を販売
軽量かつ高反発のミッドソールFuelCellフォームに、フルレングスのカーボンファイバープレートを組み合わせたシューズ
突如現れた新鋭【田中希実選手】が着用しています
アディダス
今秋にカーボンプレートを搭載した最上位モデルの【adizero adios Pro】を販売
【adizero adios Pro】のカーボンプレートはソール全体を覆わずに、5本のカーボン棒を高反発性のフォーム素材「LightstrikePRO(ライトストライク プロ)」で挟み込む構造
それぞれ足の指の骨と同じ長さで、足のカーヴに沿って湾曲して、EnergyRodsはLightstrikePROやシューズ全体と合わさって機能し、最大限のクッション性を発揮する
オン
【オン】というブランドをご存じでない人も多いのではないでしょうか?
スイス発の日米のランニングシューズ市場で成長率1位を獲得したブランドです
2010年の設立以来、世界中のランナーの熱狂的支持を集め、販売網は50カ国6000店舗に広がっています
「機能美とデザインの良さから【シューズ界のアップル】と呼ばれています
ナイキが先行する厚底シューズへの競争に参入してきました
日本に上陸して今年で6年目を迎え、5年前の東京マラソンEXPOに出店した際には3日間で16足しか売れなかったが、その後は驚異的な快進撃を続けている
某大手スポーツ量販店におけるランニングシューズの売り上げは、【ナイキ】【アディダス】【アシックス】【ニューバランス】【ミズノ】の次につけているという
レーシングシューズに厚底ブームが訪れるなか、あえて厚底ではない構造で挑んでいる
【Cloudboom】は、独自構造のミッドソールにカーボンファイバー入りプレートを組み合わせることで、快適性と推進力の両立を目指している
最後に
今回の厚底シューズに似た騒動はありました
10年以上前になりますが、イギリスのSPEEDO社が開発した競泳水着レーザー・レーサーです
北京オリンピックにて世界新記録やメダル取得者の大半がレーザー・レーサー着用という衝撃はまた世界を驚かせました
同じような事がランニングシューズで起きているのが現状です
選手としては物に頼りたくないのが正直なところだと思います
あれを使えばタイムが良くなるとは限りません
実際のところ高速水着では個人差があった
好タイムを記録した選手が多かったのは事実だが、タイムを落とし向上が確認できなかった選手もいました
水着が高機能ではあるが【高機能=成績向上】ではないという証明とは数が足りないと思うが
北島康介選手が北京オリンピックに先立って行われた大会「ジャパンオープン」で、胸に日本語と英語、中国語で【泳ぐのは俺だ】と書かれたTシャツを着用し話題となりました
【記録を出すのは水着ではなく、選手】という切実なメッセージが込められていた。
同じようにシューズを変えれば誰でも早く走れるというのは決してないだろう
マラソン・ジョギング関係の記事作成してます
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